竣工：2022年

用途：事務所/レンタルスペース

建設地：仙台市宮城野

RC造：マンションリノベーション

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設計・監理：塚野建築設計事務所

施工：菊地技建

植栽：ハナ

写真：星野裕也

設計協力：イロハスタジオ　石田 泰弘

​　　　　元インターンの澁谷さん

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【街に「らしさ」を】

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賃貸マンションの１階住戸部分とテナント用区画を、オーナーである不動産屋さんの

オフィスとレンタルスペース・レンタルキッチンにする計画です。
 

敷地は仙台駅から数駅、仙台中心部から少し離れた場所にあり、平成期に入ってから造成された、比較的新しい住宅街で、

体育館や屋内プール、市民球場などの運動施設を揃えた総合運動場があり、駅も近いため人気のエリアです。

大型スーパーやマンション、集合住宅が立ち並ぶ新しい街は、新しくて綺麗で便利ですが、

この街に根差した食堂やカフェなどは少なく、街の「らしさ」を感じにくい状況でした。

この計画で、よくある没場所性が進む均質化した街に「らしさ」を生むきっかけをつくりたいと思いました。

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地域の人々に愛され、街の雰囲気を変えていくきっかけになるようなオフィスにしたいというオーナーの意向もあり、

ここに集まる人々が長い時間をかけてこの地域の「価値」や「意味」をつくっていくきっかけになるような場所になるように、

既存賃貸マンションの1階にオフィスと共にレンタルスペースやレンタルキッチンを計画し、

各部屋を繋ぐ散策路のような小道で繋ぐ計画にしました。

2室賃貸住戸を残しましたが、将来的にこちらも街に開かれた用途にすることができるよう、

既存アスファルトと花壇を撤去して砂利道にしています。

 

〈オフィス部分〉
もともと賃貸住戸スペースで、上階からの給排水の配管スペースが点在していたため、

既存の配管スペースを利用しながら空間を間仕切り、生まれたスペースに用途を与えていきました。

なるべく新しく建てる壁が天井まで達しないようにして空間の奥行を出しています。
また、もともとの賃貸住戸スペースは共用通路側からアプローチする計画だったため、

道路側からアプローチできるようサッシとテラスを撤去して改修しました。

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〈レンタルスペース・レンタルキッチン部分〉
縦長の空間で、大小様々なグループが空間を分けて利用できるように、

天井からレールを吊り、透過性のある布で自由に空間を分けられるようにしました。
天井から吊ったレールと透過性のある布で、縦長の空間を分けても入口から広がりと賑わいを感じやすくし、

入りやすい雰囲気をつくりました。

 

 

街に「らしさ」を生んでいくためには、レンタルスペースとレンタルキッチンの活用方法が重要だと思います。

長い時間をかけてこの地域の「価値」や「意味」が蓄積され、この街特有の「らしさ」が生まれるように、

設計者としてこの施設にかかわっていきたいです。

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