Gallery & Works
RC造の住宅リノベーション
竣工:2020年12月
用途:住宅
建設地:新潟県五泉市
RC造2F・リノベーション
設計・監理: 塚野建築設計事務所
施工: 中村建築事務所
写真: 星野裕也
「しなやかなインフィル」
築30年のRC造2階建、延床面積600㎡の住宅うち1階部分の約130㎡を対象に計画しました。
1階と2階に分散していた水廻りと寝室を1階の一部に集約し、老後の生活が楽しく健康的に送れるように、断熱改修・バリアフリー改修をしています。
改修対象部をスケルトンにすると、歴史を刻んだ鉄筋コンクリートの躯体が現れ、同時に老朽化して漏水しかけた雨水配管や汚水の配管が現れました。
そして、給水管やガス配管も老朽化していることがわかりました。つながっているインフラを全て切り、新たに配管、接続し直して刷新するとともに
耐震診断を行い、残すべき構造体と不要な構造体に仕分けて新しい間取りの自由度を上げる作業を行いました。
RCの構造体の状態が非常に良かったので、既存躯体を頼れる地形のようなものと捉えて
頼りがいのあるスケルトンの中にしなやかなインフィルを挿入するようなイメージで設計を進めました。
改修対象部分と改修しない部分を断熱的に区画し、改修部は設置する薪ストーブの熱が循環するように一つの大きなつながった空間としています。
外周部は断熱材を追加するために壁を2重にして、部屋間は造作の家具で壁面をつくり、
天井は構造体をあらわしたい気持ちをグッとこらえて断熱材を充填しています。
家族にかわいい犬が2ひきいるため、床材は滑らず、腰に負担にならない、
排泄時に失敗してしまっても心労にならない人工的なサイザルのような素材にしています。
施主が住みながら、各種インフラを刷新する工事を行いました。
ちょっと古い漫画ですが「医龍」の朝田先生が心臓を動かしながら心臓手術を行う「オンビート」での手術をイメージして、
生活しながら、給水・排水・電気やガスを接続し直しています。